歩道橋で会おうね。
希望へ向う道
まだ遠くには行っていないはずだって、成宮先生は言っていたけど。
一体どこにいるんだろう?
大勢の人の中から、たった1人を見つけ出すことは、困難だ。
…なんか昔、こういう絵本読んだなぁ。
多くの人の中から1人を探す、××を探せ!って絵本。
難しくて、いつもアユに探してもらっていたなぁ。
何か探す良い方法ないかな?
きっと羽菜さんは闇雲に走って探すはず。
正直言って効率が悪い。
もっと何か、良い方法があるはず―――…。
と言っても、そんなにすぐ思いつかないし。
街の人が自由に使える放送局なんて、あったとしても、ここら辺にはないし。
何か良い方法、ないかな?
考えろ―考えろ――。
落ち着けば出るはずだ―――。
「あれ?アオじゃないの」
「どうしたんだあーちゃん」
「アユ!アックン!」
「珍しいわね。
アオがハルキくんのお見舞い行かないなんて」
「そうだな。
毎日行っていたもんな」
呑気な2人に、私はハルキくんが病室から忽然と姿を消したことを伝えた。