歩道橋で会おうね。
「「ハルキ(くん)が!?」」
おわっ、息ピッタリ!
しかも“くん”付けするアユを、アックンが待ち、“が”を一緒に言うほどの合いっぷり。
「俺らも探すよ!」
「あたしも!」
「お願い!」
走り出した真島双子と別れ、再び考え出す。
「…高岡?」
「吾妻くん!」
自転車を止めたのは、吾妻晴実くん。
学校に来ないから、会うのは久しぶり。
「声、出るようになったんだな」
「うん、まあね」
「水川遥希のお蔭か?」
「…うん」
恥ずかしくて、思わず顔を伏せる。
「…ふぅん」
「そうだ吾妻くん。
ハルキくんのこと、吾妻くんは恨んでいるかもしれないね。
大事な弟さん・颯天くんの親友だったのに、ハルキくんは助けなかったから。
でもきっと理由があるんだと思う。
ハルキくん、その時家のこととか色々あって、大変だったみたいだから」
「…へぇ」
吾妻くんはつまらなそうに呟いた。