歩道橋で会おうね。








「水川が…?」

「あぁ。
でもオレは無視したんだ。
だから悪いのはオレだけだ。
水川は、悪くない…」




悔やんでいるんだ。

小野は、ものすごく。




「高岡もごめんな。
水川から聞いたんだろ?」

「…実はね」



私は小野と吾妻くんにも、ハルキくんが行方不明なことを伝えた。



「マジかよ!
じゃあオレ探してくるわ!」

「え?
小野良いの?」

「真島から全部聞いた。
アイツ記憶喪失だったんだろ?
それって全部オレのせいじゃねぇかよ。
…オレがアイツを壊したんだ」

「小野…」

「何かあったら、真島に連絡するな!」



私の連絡先を知らない小野は、さっさと走り出して行ってしまった。

意外に走るのが早い。

そういえば小野は小学校の時、毎回運動会のリレーのアンカーだっけ?



小野も変わったんだ。

いじめなんてしない、立派な大人になっている。



私は自然と笑みがこぼれた。







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