歩道橋で会おうね。
「…小野の話、本当なわけ?」
「うん。
ちなみにハルキくん、今は記憶戻っているよ。
多分、全部思い出したはずだよ。
颯天くんとの思い出もね」
「…」
「じゃあ私行くね」
「…さっきは俺に一緒に探してくれ言っていたのにな」
「確かにそうだね。
でも今考えたら、強制はいけないし。
吾妻くんにも予定があるだろうしね」
私は踵を返そうとした。
「待てよ高岡」
「…へ?」
「俺も探すよ」
「え!?」
「どーせ暇だし。
水川に会って、颯天のこと詳しく聞きてぇし」
「吾妻くん…」
「高岡と小野の他に、誰が探しているわけ?」
「アユと、アユの双子のお兄さんでハルキくんの友達のアックンと、ハルキくんのお姉さんの羽菜さんだよ」
「なるほど。
りょーかい」
「お願いね吾妻くん!
ありがとう!!」
私は走り出す。
…好きな人を探すため。
「…なぁ颯天。
俺、お前のこと何も知らなかったんだな。
お前が死んでから、お前のこと知り始めたけど、まだ知らないことだらけだったな。
今からでも俺、颯天の兄貴になりてぇから。
…颯天の親友、探すから」
どこまでも澄み渡る大空を見ながら、吾妻くんが笑顔で、呟いた。