歩道橋で会おうね。








「ハルキ…」

「…小野」

「全ての元凶は、オレだったんだ。
お前が責める必要はねぇよ」

「…」

「あの頃オレ餓鬼でさ。
上に立つことしか考えられなかったんだ。
ただ自分を上に見てもらいたいがために、オレは高岡だけでなく、颯天までいじめた。
お前の大事な親友を」

「…」

「オレ悔しかったんだと思う。
当時オレには多くの友達はいたけど、親友はいなかったから。
成績優秀で家柄も良くて、その上親友もいる。
何でも持っているハルキが、羨ましかったんだ」

「…」

「お前言ったよな?
もう二度と人をいじめるなって。
それなのにオレは破っていじめて。
…最低だよな、オレ」



小野は泣きだした。

案外強いのは外見だけらしい。

中身は多分、脆いのだろう。



「お前に高岡と颯天をいじめるか選べって聞いた時、お前は颯天を選んだよな。
何故高岡を選んだか、今なら納得がいくよ。

大事な親友を守りたかったんだろ」




…本当は、誰もいじめたくなんてなかった。

でも、小野から逃げることなんて、当時の僕には出来なくて。

大事な親友を守るため、僕はアオをいじめることにした。



でも本当に嫌で。

成績は下がるし、常にあの頃は精神的にも不安定で。



何もないのに泣いた日だってあった。








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