歩道橋で会おうね。
青歩道橋は、相変わらず建っていた。
まぁ消えていたら可笑しいんだけど。
トントンとリズムよく階段を駆け上がる。
鞄に着いた鈴がリンリン鳴る。
結構気持ちいいものだ。
歩道橋を上がると、私は立ち止まった。
…え?
何で…?
歩道橋の下は、当たり前かもしれないけど、道路だ。
多くの車やトラックが行き来している。
それを眺めているのは。
…水川ハルキだ。
頬杖をつきながら、彼はじっと下を見ている。
微動だにしない。
私はそっと、近づく。
鈴は相変わらずチリチリ鳴っている。
鈴の音で、彼は振り向いた。
冷たいけど、どこか哀しげな瞳が、眼鏡の奥にある。
「…昨日の」
しかしすぐにその目は消え、ふっと笑みを浮かべた。