歩道橋で会おうね。
「…そうですか」
〈ハルキくんはあるの?〉
「どうでしょうね?」
〈え?人に聞いておいて、自分は教えてくれないの?〉
「僕は基本そういう人ですよ」
ふっと微笑んだハルキくんは、くるっと踵を返す。
私は急いでホワイトボードに文字を書き込みながら、追いかける。
「まだ何か僕にご用ですか?」
〈帰るの?〉
「ええ帰りますよ。
それとも何です?
僕と一緒にいたいんですか?」
〈そ、そういうわけじゃないよ!〉
「でしょうね。
なら帰りなさい。
ご両親も心配するでしょう」
確かに。
私の場合、両親っつーか親戚だけど。
〈うん。
じゃあ、またね〉
「またねって…。
また会うつもりですか?」
〈わかんない。
でもハルキくんがこの歩道橋通るのなら、また会うかもね〉
「…そうですね」
ふっと微笑んだハルキくんは、「では」と階段を下りて行く。
私はホワイトボードを鞄にしまうため、鞄を開けた。