歩道橋で会おうね。
第2章~近づき、離れる~
ドMな人、登場!?
「「…」」
「相変わらずでけぇ家だな」
「そうですか?普通だと思いますけど」
「これが普通なら、俺の家どうなるんだよ…」
今、私たちの目の前には、大きなビルが建っている。
私、アユ、アックンが住む高ノ宮地区へ行くために降りる駅から徒歩10分。
アックンやハルキくんが通う高ノ宮男子へは20分。
その場所に、この大きなビルが建っている。
…実はこれ、ビルではない。
世に言う、タワーマンションだ。
つまり、家。
マンション。
ただ首を思い切り曲げても、屋上が見えないほど、マンションは高い。
〈ここが、ハルキくんの家なの?〉
「そうですけど?」
〈大きいね〉
「…そうでした。
あなたも馬鹿でした」
〈失礼な!〉
ハァと溜息をついたハルキくんは、ズンズンマンションへ入っていく。
それを私たちも追いかけた。