歩道橋で会おうね。
「改めまして。
自己紹介させてもらいますわね?」
お姉さんは笑顔のままリビングに私たちを通し、お茶を淹れてくれた。
正直言って、かなり苦いお茶を。
まぁ苦いのは好きでも嫌いでもないから、素直に飲むけど。
「わたしは水川羽菜(はな)。
ハルキくんの姉にあたります」
何故かピンク色のノースリーブに黄緑色のパーカーを羽織ったお姉さん―――羽菜さんは、はにかみながら挨拶してくれた。
私は鞄からホワイトボードを取り出し、書いて行く。
「お久しぶりです羽菜さん。
突然お邪魔してスミマセン」
「良いのよ真島くん。
ハルキくんに友達なんていないもの。
真島くんぐらいよ」
「そうなんですか?
恥ずかしいじゃねぇかよハルキ」
「別に僕は何も思っていません。
勝手に羽菜が友達だと思っているだけです」
「勝手って…。
まぁ良いや。
羽菜さん、コイツ俺の双子の妹です」
「ま、真島歩夢です…。
と、突然お邪魔してごめんなさい」
「アユちゃんね?
可愛い名前。
羨ましいわぁ。
わたしなんてハナよ?
まぁ“子”がついていないだけマシかな?
“子”がついていても良いんだけどねぇ。
大丈夫よ。
気にしないで。
わたしの格好が恥ずかしいだけだから。
突撃訪問も許可しているからね」
羽菜さん、大人の女性って感じ。
ハルキくんとは性格正反対だけどね。