歩道橋で会おうね。
「何で声出ないんですか?」
どういう意味?
そう込めて見ると。
ハルキくんは目線だけでわかったみたいだ。
「まさか生まれた時から声が出ないはずないでしょう。
何らかのきっかけがあって声が出せなくなった…。
違いますか?」
探偵みたいだよハルキくん。
ただその話題は…
出してほしくなかったかな……。
封印したい、過去の思い出だからさ…。
〈ハルキくん気になるの?〉
事情を知るアユとアックンが何も言わず顔を見合わせてしまったので、私が聞いた。
「…少し疑問に思うだけです。
僕の予想なんですけど、この間僕がアオに聞いた忘れたい過去、それがその声を亡くしたきっかけなんでしょうね」
「…オイ、ハルキ」
ずっと胡坐をかいていたアックンが立ちあがり、ハルキくんの元へ向かう。
そしてハルキくんの胸ぐらを掴んだ。
私とアユはまさかの展開に、思わず顔を見合わせた。