歩道橋で会おうね。
冷たく。
氷のように冷たく。
…その言葉は刃と化す。
「…そんなの、言われなくてもわかっていますよ」
「は?」
極めて冷静に、ハルキくんは言い放つ。
立ち上がったハルキくんは、乱れた制服のブレザーを直しながら言う。
「大体、近づくな言いますけど、別に僕はアオになんて興味はありませんよ。
真島が勝手に僕らを会わせたんでしょう?
歩道橋で会ったのもたまたまですし。
会いたくて会っているわけではありません。
100点満点中10点しか取れない馬鹿と一緒にいたら、馬鹿がうつりそうですからね」
あ…ああ…。
待て待て、ヒドすぎだろ、オイ。
私はアックンが怒り出すよりも早く、ホワイトボードに書きこんでいく。
〈私だってハルキくんに興味ないもん。
アックン何言っているわけ?
ハルキくんは常に私を遠ざけて近づこうともしないし、私だって会いたくて会っているわけじゃないよ。
…勝手に勘違いしないでよ。
大体ハルキくんヒドすぎ。
私は確かに馬鹿かもしれないけど、ハルキくんみたいに人の気持ちをわからないひとじゃないから、何を言えば人を傷つけないかはわかるよ。
ハルキくんは頭良いかもしれないけど、人の気持ちをわからないんだから、絶対将来困ると思うよ!〉
心の中で思っていることを、全てぶちまけた。