歩道橋で会おうね。
「…家まで送りますよ」
私が驚き固まっている時に、ハルキくんは持ってきていたらしい黒いパーカーを着ていた。
行動がすばやく、器用な人で。
〈良いよ、近いし〉
「確かにそうですね。
先ほど真島からも忠告を受けたばかりですし」
〈でも来てほしいかな?〉
「…じゃ、行きますよ」
〈ありがとっ〉
私は鞄を持ち、ハルキくんの家を出た。
ホワイトボードは持ったまま…。
ところで。
見渡す限り、アユもアックンもいない。
私を置いて帰ったのかな?
メールも何も入っていないし。
…ヒドいなぁ。
外はもう日が暮れていて、所々明るい星が見えている。
〈星綺麗だね〉
「星好きなんですか?」
〈綺麗なものは基本好きだよ〉
「へぇ。案外女の子なんですね」
〈案外って…ヒドいなぁ〉
笑い声は出ないけど、私は口を開けて笑う。
勘違いしないでね。
小さく開けているから。
ガッポリは開けていないから。