歩道橋で会おうね。







〈他のコンビニにも、行こうとすると今みたいになるの?〉

「いえなりません。
だから僕自身も困っているんですよ」



だよねー。

なんか当たり前のこと聞いちゃったよ。




〈ハルキくん、今日は帰りなよ〉

「…え?」

〈私は帰れるから。
ハルキくん家に帰って休みなよ。
…もしコンビニの謎がわかったら、私に教えて〉

「コンビニの謎って…。
アオ、完全に楽しんでいるでしょう?」

〈ふふ、バレた?〉

「良いですよ。
ただ、いつになるかわかりませんけどね」

〈いつでも良いよ。
待っているから〉



歩道橋の上で、私たちは約束を交わす。



〈それと今度、また勉強教えて。
テストまで日程あるからさ〉

「…ええ。
良いですよ」

〈今度は私にだけ教えてよ。
アックンもアユも、今日みたいに怒ると困るからさ〉

「アオも怒っていましたけどね」

〈…気を付けます〉



私が笑うと、ハルキくんは笑った。

あの毒舌を言う前の極上の笑顔とは違う、優しく綺麗な笑顔だった。



「じゃあ、気を付けてくださいね」

〈ハルキくんも〉




手を振ると、ハルキくんも振ってくれた。





ハルキくんが手を振るとか、滅茶苦茶レアじゃない!?

ハルキくん黙っていればかっこいいからさ!!




私は貴重なシーンを見て、

ルンルン気分で帰宅した。








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