歩道橋で会おうね。
「んん?もしかしてぇ、ハルキくんのことぉ?」
「そうですけど…」
「何か最近、変わった様子はありませんでしたか?」
実はあたしたち、前にハルキくんの記憶がなくなり、病院に入院していた時に羽菜さんに会っているんだ。
羽菜さんはあたしたちのことをその時―――5年前から知っていたってわけ。
だから本当は今日、あたしたちは自己紹介しなくて良かったんだけど。
アオが何も知らないから。
お兄ちゃんが自己紹介しなかった理由は、ハルキくんと同じ高校で家には1度行ったことがあるって言う設定でアオには通せたけど。
あたしと羽菜さんは初対面だと言う設定だから、初対面らしい自己紹介をしたってわけ。
あたし、バレないよう頑張ったと思うよ?
アオも何も言わなかったしね。
「特にないかなぁ。
相変わらず、父さんと母さんとは仲悪いけどねぇ」
「…そうですか」
「真島くぅん、そんな落ち込まないでよぉ。
羽菜お姉様が元気にしてあげるぅ」
「…いや、結構です」
「そぉ?
元気にしてほしい時はいつでも言ってねぇ。
あたしはぁ、真島くんと真島ちゃんの味方だからぁ」
「「あ、ありがとう…ゴザイマス」」
あたしたちが揃って頭を下げた時だった。
「何しているんですか?
真島、真島さん、それに羽菜さんまで」