歩道橋で会おうね。







何も言っていないけど、アユも私の席に来て、自分の席からわざわざ持ってきた椅子に腰かけた。

一緒に食べるのは、入学当初からずっと続いていること。




「吾妻くんも一緒にどう?」



1人でおにぎりを食べ始めた吾妻くんに、アユが話しかける。

ナイス!アユ!

やっぱり1人でお昼は寂しいものね。



「…別に良い」

「良いから良いから。
遠慮はいらないぞぉ?」



少しふざけたアユに、冷たい態度の吾妻くん。

やっぱり無愛想だなぁ。

休み時間切れることなく吾妻くんの席に来た女の子たちも、吾妻くんは適当に受け流していたし。

色々質問されていたけど、質問には全て無視。

朝のホームルームが終わってからは多くの人が来て話していたけど、無愛想なのがあるから、2時間目過ぎ辺りからは、誰も吾妻くんに寄らなくなった。

当の本人は「はぁ、やっと離れてくれた」みたいな表情をしていたけど。



「あ、そうだぁ。
あたしは真島歩夢。
こっちが高岡碧愛」



こっちって。

扱いひどくないですか。

まぁ気にしないけど。



「…ふぅん」


吾妻くんは興味なさそうに答える。







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