歩道橋で会おうね。







「ごめんアオ…。
今はまだ、言えないの…。
でも、いつか、いつか必ず言うから…。
待っていて、くれるかな……?」



不安そうな瞳を私に向けるアユ。

捨てられそうになる子犬みたい。

でも、大丈夫。



私はホワイトボードに書いた。




〈待つ。
アユが話すまで、私いくらでも待つから〉




そして、精一杯の笑顔を見せた。




私はアユを捨てないから。

アユが私を捨てなかったように。




「…ありがとう、アオ」



アユも微笑む。

凄く綺麗だと思った。




〈そういえば〉



私はアユに聞いてみたいことがあった。

アユは首を傾げながら、書くのを待っていた。








< 91 / 259 >

この作品をシェア

pagetop