The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
サフランの黄色、パプリカの赤、ズッキーニの緑にムール貝の黒……。


カラフルなこの料理は、まるで色とりどりな自然の風景を見ているよう。




この彩を表現する拓也の感性に影響され、いつしか私もパエリアが好きになっていた。




「いただきます……。」




フライパンからパエリアを皿に盛り、広いリビングで1人食事を取る。




テレビを点けたって、土曜日の昼間は気の利いた番組なんかやっていない。


それでも無音よりはましだと思い、意味もなく音を鳴らすテレビに少しだけ安心感を覚えていた。
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