The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
「お姉さん、観光の方かい?」




じっと雲丹を見つめる私に気付いた市場の店員が、魚を捌く手を止めて私の方に近付いてきた。




「いえ、地元の者ですよ。

ただ、こんな風に人工的な入れ物に入れられてもちゃんと生きてるんだな……って思って。」




目の前にある活きた雲丹を指差すと、店員のおじさんはそれを1つ手に取った。




「まぁ、一旦陸に上げちまったらだいぶ元気は無くなるけどな。

良かったら一口食べて見るかい?」




「えっ?いいんですか?」




「普段は雲丹の試食は出さないんだが、お姉さんは美人だから特別な!

ちょっと待ってて。」
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