The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
役場に向かう足取りはとても重い。


まるで、“喪失”や“絶望”といった重たい錘を括りつけられたかのように……。




ノーメイクのままで良かった。


止めどなく溢れる涙は留まる事を知らず、私の瞼の堤防を次々と乗り越え一向に止まる気配を見せない。




どんなに堪えても、下目蓋には熱く悲しみを湛えた涙が溜まってくる。


真っ赤に目を腫らしたまま、私は見慣れた風景を横切り役場までの道程を急いだ。
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