The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
医務室に着くと、海晴は足首を押えながらぎゃんぎゃん泣いていた。




沙耶香は処置を受ける息子の様子を不安げに見つめている。


大泣きする海晴の様子に驚き、紅葉は私の手を強く握り、雪凪は沙耶香の体にぴったりとしがみ付いた。


パパと菜花はまだ到着していないようで、医務室には、私たち5人と医療スタッフの6人しかいない。




「大丈夫!

どこも悪くなかったから。

それとも、まだどこか痛いのかな?」




医療スタッフのお姉さんはとても優しく、泣き止まない海晴を安心させようと沢山声を掛けてくれていた。


しかし、海晴は一向に泣き止む気配はなく、顔面を涙と鼻水でべたべたに濡らしている。
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