The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
「お母さん、大丈夫です。

捻挫の容体は全く心配ないのですが……。

転んだ事に驚いちゃって、精神的に折れちゃったみたいですね。」




「あぁ……、良かった……。」




沙耶香は胸を撫で下ろし、私も安心して思わず溜め息を吐いた。


紅葉と雪凪は、泣きじゃくる兄の顔をまだ心配そうに見つめている。




その時だった。




安心する私たちの後ろでドアをノックする音がした。


きっと、パパと菜花が到着したのかもしれない。




「はい、どうぞ。」




医療スタッフのお姉さんがそう応答すると、ドアが開き、派手なスノーボードウェアに身を包んだ男性が医務室の中へと入ってくる。
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