The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
アヤは海晴の方に近付き、甘い香りを漂わせる小さな紙袋を手渡した。


その紙袋の中身を、きっと私は知っている。




「大丈夫か?

痛いのが治って泣き止んだら、これ食べて元気出しなよ?」




アヤは海晴の頭を優しく撫でた。


海晴は一瞬きょとんとしてアヤの顔を見上げたが、魅力的な甘い香りによってすっと泣き止んだ。




「お兄ちゃん、ありがとう。

僕、もう泣いてないから食べていい?」




「ああ、いいよ。

泣きながら食べたら喉詰まらせるからな。

出来立てだから、きっと超美味いぞ!」
< 182 / 376 >

この作品をシェア

pagetop