The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
沙耶香は携帯電話を手に持ち、嬉しそうに鼻歌を歌いながら医務室を後にする。




「はぁ~、もうっ!」




思わず額に手を当てる。




―――気まずいから行きたくなかったのに……。




きっと俊哉も来ている。


クリスマスのあの一件以来ずっと連絡を取っていなかったから、みんなが楽しく盛り上がっているあの店で顔を合わせる事がとても気まずい。




「はぁ~……。」



さっきまで楽しく子どもたちと遊んでいたはずなのに、止めどなく零れる溜め息のせいでどんどん気分が落ち込んでいく。


再び大きな溜め息を吐いた私の顔を、隣にいた紅葉が不思議そうに見上げていた。
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