The second partner ～夢と英雄と雪解けの記憶～

Scene.2

思い出したいのに、いつもぼんやりとしか浮かんでこない。


哀しみを帯びた私の心を抱き、小さな体で優しく抱き締めてくれたあの子……――――――




“じゅんくん”……。


彼は実在していたはず。


辛かった過去を俊哉に話したことで、あの夢の内容が私の過去そのものであるとようやく実感できた気がする。




「“じゅんくん”っていってね、大嫌いなこの名前をいい名前だと言ってくれたの。

そんな事を言ってくれたのは、彼が初めてだったんだ。

変わった名前と言われる事はあっても、いい名前だなんて言われた事がなかったから……。」