The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
「しかし、不思議だな。

これだけ印象に残っている出来事なのに、それに関わる重要な人物の事を思い出せないなんて。」




「でしょ?

私を取り巻く人間関係の中で“じゅん”っていう名前の人は誰もいないの。

だけど私は、いつも彼の事を遠くから見つめていたんだ。

その事だけは、今でもはっきり覚えてる。」




夢と現実が混同してしまっているのだろうか。


だけどあのシーンだけはいつもリアルに表現されていて、現実に自分の目で見た時と同じように、私の感情も激しく動かされる。




しかし、彼は私に一度も顔を見せてはくれない。


少し甲高い声だけが、いつも現実の記憶に刻まれている。
< 247 / 376 >

この作品をシェア

pagetop