The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
「さて……。」




ソファーに掛けていた俊哉が腰を上げ、その場でうーんと大きく伸びをした。




気付けばもう日付が変わる頃。


私も彼も、明日は朝から仕事だ。




「都那の初恋話も聞けたし、そろそろ帰るかなぁ。」




「ごめんね、こんな遅くまで……。」




自己満足とも言える“じゅんくん”の話。


こんな下らない思い出話を長々と聞かされ、俊哉はさぞ疲れただろう。




俊哉はソファーに掛けたままの私の頭をポンポンと叩いた。


大きな掌が髪に触れ、彼の優しさと温もりを間近で感じる。




理由はわからないけど、彼が帰宅してしまう事を寂しく思う私がここにいた。
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