The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
自分の失態を誤魔化すために、私はアヤに質問を投げ掛けた。


これ以上、自分の再婚願望を掘り下げて聞かれたくはなかったから。




「アヤは結婚願望ある?

まだ独身でしょ?」




何気なく、特別な意味を想定せずそう聞いたつもりだった。


しかし……。




「……ッ!!」




どうしてだろう。


私の一言で、一瞬にしてその場の空気が凍り付いた。




アヤは驚いた表情で私の目を見つめ、気まずさを誤魔化すかのようにゆっくりと俯く。


豊と斗真もその事情を知っているらしく、アヤと同じように、ゆっくりと私から目を逸らした。
< 365 / 376 >

この作品をシェア

pagetop