The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
少しだけ強がり平然を装う。


だけど本当は、まだ平気な訳じゃない。




「そっかぁ……。

俺さ、お前の苗字を覚えてなかったんだよ。

だからあの名刺を渡されても、正直全く違和感がなかったんだ。」




淡々とした表情で話す私に少し安心したのか、俊哉は大きくタバコの煙を吐いた。




車内に充満するタバコの煙。


今までは周りに喫煙者が少なく、このタバコの臭いがとても新鮮なもののように感じた。




信号が青に変わった事に気付き、俊哉は正面を向き再びアクセルを踏む。
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