冬恋
プルルルルル…

バクバクバクバク

心臓が張り裂けそうだった。
恐る恐る受話器を持つ。
手は震えていた。

なんでかは分からない。
だけど心の奥の奥で
もしかしたら、って思っていたのかも。

「警察の山田ですが、」

あ、両親の事件の時も
お世話になった人だ…
あたしはそんなのん気な
ことを考えていた。

「お姉さんが、さっきビルから
飛び降りました。即死でした。」


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