冬恋
いつものように廊下を歩いていた。
それは、ドラマなんじゃないかって
いうくらいベタな出会い。
ぶつかり合って、大丈夫?って
言われた瞬間、恋に落ちた。
あたしの周りは変な目でみるから
大丈夫?なんていわれたことなかった。
だけど、この人はちがった。
「あ、りがと」
あたしは素っ気なく返事をした。
「名前は?」
あたしはドキドキしながらも、
本名を言うべきか、
偽名か迷っていた。
そして、
「哀歌」
と言った。