冬恋
街はクリスマス一色だった。
もう何年もプレゼントもらってないな…。
あたしは、里親、そして
両親のことを思い出していた。
不思議と
涙は出てこなかった。
だけど、それは哀歌にとって
すごくすごくいいことだった。
宗吾が家を出てもう5時間たっている。
いくらなんでも遅すぎではないか…?
するとまた胸が苦しくなった。
姉のときのような胸騒ぎ…
一向に治まる気配はなく、
ましてゆくばかり…
時間はたっていく…
しかし帰ってこない。
どこへ…?
心臓がまたちぎられそうだった。
そして部屋を勢いよくあけた時だった…。