枝垂れ桜に舞う蝶
理由は簡単だ
芹沢さんが鉄扇で殴り付けたからだ
「桐葉っ!!」
槙が後ろから心配そうな顔をする
私は槙を手で制して芹沢を見上げる
「ほう……………お主なら、見えていたはずだが。何故、避けなかった」
「それで芹沢さんの気が済むならと」
そう、見えていた
が、私は避けることをしなかった
暫く睨み合いを続けていると芹沢が興味を無くしたように目を逸らした
「気が失せた。帰る」
芹沢は隊士を引き連れ退散していった
「……………はぁあ、終わった~」
「桐葉、大丈夫っ!?」
槙が目の前に来て頬を痛々しそうに見る