枝垂れ桜に舞う蝶

槙には残ってもらうようにした

浪士相手ならまだしも仲間の死まで槙には背負わせたくないからだ


「絶対に外を見ないでね、絶対だよ」


少し意味の分からない忠告しつつ槙は見送ってくれた


「あら、桐葉はん。お酒が進んでないみたいどすけど」


「私、お酒弱いんです。潰れたら貴女のお相手できないでしょう?それは勿体ないからね」


「まぁ、口が上手いこと」


「本心だよ」


私達は島原の角屋というお店にいた

暗殺実行するにあたって芹沢さんを酔わすためだ
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