枝垂れ桜に舞う蝶
                沖田side



「桐葉さんっ!?」


何故か彼女は紅葉と呟いた後、
その場に崩れ落ちてしまった

しゃがみこんで頭を両手で抱えている

嗚咽のような声を上げる

彼女の瞳には全くといっていいほど光りが宿っていなかった

表すのなら闇

そう、闇の色

光りを表す金の色の瞳のはずなのに

それを遮るほどの深い闇


「どうしたんですっ!?桐葉さんッ!!」


僕は叫ぶが、桐葉さんの耳には届いていないようだ
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