枝垂れ桜に舞う蝶
                 槙side



「ん、一。さっぱりした?」


桐葉が風呂に入っていた頃

槙も風呂に入っていた

僕の片手はシャワーを持っていてもう片方の手は

目の前の黒猫の汚れを落としていた


「黒い毛って、一らしいけどさ。綺麗になったか分かりづらいよね。

………一?さっきから黙りだけどどうしたの?」


「何故、猫なんかに……………」


「僕の知るところじゃないね、それは」


湯船に浸かりながら言い返す


「まぁ、桐葉も猫連れてたって榛輝が言ってたから」
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