枝垂れ桜に舞う蝶

「これで良いの?」


土地神の継承は呆気なかった

先代が次代の額にキスするだけ


「えぇ、ほら自分の胸元を見てみなさい」


私は言葉に従う

私の胸元には先程までなかった入れ墨のような模様がある

一応、マークみたいなのはあるんだ………


「ねぇ、土地神って何すれば良いの?」


当然の質問だよね?

普通は神様になれるなんて思わないから


「主には社を護ったり、参拝者の願いを聞いたり、年に1度は出雲の神議りに出たりかしら?」


「神議り?ってあの………?」


神議りとは10月の半ば頃に神々が出雲に集まって会議をしたとされるもの

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