枝垂れ桜に舞う蝶

「えーと、このお神酒は狐さんのですか?」


「あぁ」


お神酒を挟んで向かいの縁側に狐の青年が座る


「はい」


私は狐の青年にお猪口を渡して注いだ


「今日はいい満月ですね?月見酒なんてどうでしょう?」


笑って言う

狐の青年は何も言わず酒を呑んだ

私も空を見上げた

綺麗な月がある

綺麗な綺麗な………


「……………………朧月」
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