枝垂れ桜に舞う蝶
夜桜は応ずる
私は丘へ朧を抱えて走っていた
「あぁッ!!何で桜狐姫の正装って走りにくいかなぁ!!」
「や、着物なんだし。まず、走る前提に作られてないから!」
槙も後ろから3匹を抱えて走っていた
「……………っ、ついたっ!!」
重いものつけたまま走るのは無理な話だ
乱れた部分を整える
「あ、どうせならお榛から羽織り回収しとくんだった!」
「桐葉、羽織りなら回収してきたよ」
槙は折り畳んだ羽織りを私に渡す
私は腕を通さず羽織った
だって正装のままじゃ袖を通せない