枝垂れ桜に舞う蝶
鳥居まできた
変な視線を感じて振り返る
………誰もいない
「ちょっと先行ってて。どうせそんな重いもん持っとったらゆっくりなるやろ」
「すぐ来いよ」
「分かってる。すぐ追いかけて追い付くわ」
私は楪達を見送る
そして、真剣な顔で振り返って本殿まで進む
そこで声を発した
「そこの。はよ顔見せぇ、気ぃ付いとるで」
「ほう……気が付くとは。……………お前、何者だ?」
すると後ろから青年らしき声がする
聞いたことがあるような声
「さぁ?何者言うてもただの一般人やとしか言えへんなぁ」
振り返る
そこには知っているようで違う
別人のような風格の彼がいた