枝垂れ桜に舞う蝶

「お嬢さん、一人かい?そろそろ日が暮れるから危ないよ」


「いえ、連れとはぐれてしまって」


「そーか、そいつと上洛したんかい?」


「えっ」


青年は微笑んだまま訪ねてくる


「言葉。お嬢さん、江戸の出身じゃないのか?」


「あ、母がそうで。私は京出身です」


京訛りも出来ますよ、と言う


「そーかいそーかい、なら気をつけて家に帰りな。連れの奴もそうするだろうよ」
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