枝垂れ桜に舞う蝶
「今宵は上客やえ。2人は土方はんからの預かりもの言うてもこき使うから覚悟しとき」
そう姐さんは妖艶に笑んで言った
「わっちは朝霧でありんす。どうぞ、よしなに」
そそとして姐さんは座敷へ上がる
私らも同じようにして頭を下げたまま名乗った
「桐葉です、どうぞよしなに」
「……槙です。よしなに」
何やら頭上から笑い声がする
それも随分と聞き覚えのある声たちの
忍び笑いすら検知する私にはすぐに分かってガバッと頭を上げる