枝垂れ桜に舞う蝶

「それなら良いよ。今度は見せてくれよ?」


「その時は」


苦笑したくなるのを我慢して微笑む

だってそんなのプライベートで会おうって言ってるもんじゃん

死ねってか、一日楪に付きまとわれろってか

どっちも同じ意味にしかならないよ‼


「今度は桐葉を指名しようか」


「外でも会うのにここへ来なくても良いよ」


私は何処かのホストか、いやキャバ嬢かと思いながらやんわり否定する

いつまでもいないし

ある意味仕事の邪魔


「俺ならお前の為に旦那になってやるよ」


うん、言うと思った

しかしそれじゃ他の客が取れない訳だ

こんな大物の女なんて手を出せない


「良いって。……さ、飲んで」
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