鳥籠の底は朱い道
『……ろ』
真っ暗な意識の中。
誰かがしつこくオレを呼んでやがる。
『……ぉきろ』
ウルサイと怒鳴りたいのにどうして声が出ない?
どうしてこんなにも体が動かない?
オレに一体何があったっていうんだ。
暗い意識の中、朱道は思い出す。
たった今、自分は椿に殺されたのだと。
死んだはずの自分が何故、こんな意識を持つのか、そんなことよりも朱道は自分の“負け”について激怒する。
オレが死んだ!?
オレが負けた!?
あんな奴に、どうしてオレが負ける!
叫びたい。声を出して叫びたいが、結局は頭の中で激怒の文字が浮かぶだけ。
音など一斉聞こえてこない……この朱道を呼び続ける忌まわしい声以外は。
『こんな所で死なれたら迷惑だ。俺がお前の力の使い方を教えてやろうか』
ウルセェ、オレは誰の手も借りない! オレ一人で椿をぶっ殺す。
『分かっていない。俺はお前、お前は俺という一人の存在だというのに』
オレがお前? 力……オレに眠る朱雀の力だとでも言うのか?
『おしい。間違ってはいないが、この俺をたかだか雀と同じにしないで欲しい。俺はもっと巨大な力を秘めている。もちろんお前もな』
言葉は一体何者だというのだろうか。朱道の中に眠る力で朱雀以上の力はありえない。だというのに声は朱雀をたかが雀の一言で罵倒する。
だが、朱道にとって重要なのは朱雀の力だろうが、声の力だろうが本当に強く残酷なまでの力があればそれでいいということ。
お前の力があればオレは椿を殺せるか?
『椿? そんな屑など一瞬だろうな。俺の力があれば同じ守護四神ですら勝つことは出来ない。だからその体、俺によこせ』
あぁなるほど、結局テメェの考えはオレの体を奪うことか。だからオレはテメェが気にいらないようだ。いいから黙ってお前の力をよこせ。
真っ暗な意識の中。
誰かがしつこくオレを呼んでやがる。
『……ぉきろ』
ウルサイと怒鳴りたいのにどうして声が出ない?
どうしてこんなにも体が動かない?
オレに一体何があったっていうんだ。
暗い意識の中、朱道は思い出す。
たった今、自分は椿に殺されたのだと。
死んだはずの自分が何故、こんな意識を持つのか、そんなことよりも朱道は自分の“負け”について激怒する。
オレが死んだ!?
オレが負けた!?
あんな奴に、どうしてオレが負ける!
叫びたい。声を出して叫びたいが、結局は頭の中で激怒の文字が浮かぶだけ。
音など一斉聞こえてこない……この朱道を呼び続ける忌まわしい声以外は。
『こんな所で死なれたら迷惑だ。俺がお前の力の使い方を教えてやろうか』
ウルセェ、オレは誰の手も借りない! オレ一人で椿をぶっ殺す。
『分かっていない。俺はお前、お前は俺という一人の存在だというのに』
オレがお前? 力……オレに眠る朱雀の力だとでも言うのか?
『おしい。間違ってはいないが、この俺をたかだか雀と同じにしないで欲しい。俺はもっと巨大な力を秘めている。もちろんお前もな』
言葉は一体何者だというのだろうか。朱道の中に眠る力で朱雀以上の力はありえない。だというのに声は朱雀をたかが雀の一言で罵倒する。
だが、朱道にとって重要なのは朱雀の力だろうが、声の力だろうが本当に強く残酷なまでの力があればそれでいいということ。
お前の力があればオレは椿を殺せるか?
『椿? そんな屑など一瞬だろうな。俺の力があれば同じ守護四神ですら勝つことは出来ない。だからその体、俺によこせ』
あぁなるほど、結局テメェの考えはオレの体を奪うことか。だからオレはテメェが気にいらないようだ。いいから黙ってお前の力をよこせ。