鳥籠の底は朱い道
「お前だけは他のものではなくこのオレが殺す。それがオレに初めてにして最後の敗北を与えた存在だからな!」
叫ぶ朱道に反応するかのように再度構築される赤い監獄。
再現されたのは監獄だけではなく緊張感も同じである……いや気持が込められている以上、それはさっきの雰囲気よりも殺気は増している。
「この力が分かるぜ。悪いがオレはお前を殺すことに全力を尽くす。実験台でもあるんだ、さっさと死ぬなよ?」
手を翳す朱道。それはまるで何かを召喚するかのように。
――だが、それは本当に召喚であり、朱雀として目覚めたのだから象徴となる武器を呼ぶということ。そうして頭に過る名前を朱道は叫ぶ。
「オレの血よ、あいつの血を貪るために生まれ堕ちろ! 虚朱鳥フェニックス!」
流した血が朱道の腕に集中する。そして生みだされた赤き槍は確かに朱雀の象徴だろう。
だが、その槍は赤という単色ではなく、いくつもの血が混ざったような色である。言うならば赤の虹色という所だろうか。
背丈よりも長い槍は、真っ直ぐではなく捻ったかのような渦を描いている。
これは今までの朱雀が持っていた朱雀槍アルテミスとは全くの異質であり、朱雀としての象徴は色くらい。
この虚朱鳥フェニックスは朱雀ではなく、複数の力が合わさって生まれた朱道を象徴とする武器だろう。
「さて、行くぜ。全体、360度目を放すなよ? この空間、血塗られた空間(ブラッティフィールド)にいる限り、安全な場所など存在しないからな」
「忠告は受け取っておく。でも心配されなくても私の能力は発動されてる」
椿の能力。
それは視線を全体へと見渡し死角をなくす能力。
そうでなくてはこの戦いは一瞬で終わっていただろう。椿はこの能力があり、そして今、発動をしているから背後より伸びた赤い槍を避けることが出来た。
赤い槍は赤い線の一部であり、血で生成された朱道の武器。だが虚朱鳥フェニックスとはまた別物の形をしている。
この空間にいる限り、どの方向から飛んでくるか分からない無限の赤い槍。それが全て必殺となって襲ってくる。
防戦の態勢など取ればそれで終わり。
だから椿は一撃を避けると同時に朱道を襲う。それしか手段がないから。
その両手は目に見えるほど神素が形となり、短剣くらいの刃を持っている。ここぞとばかりに隠していた椿の切り札がこれだろう。
叫ぶ朱道に反応するかのように再度構築される赤い監獄。
再現されたのは監獄だけではなく緊張感も同じである……いや気持が込められている以上、それはさっきの雰囲気よりも殺気は増している。
「この力が分かるぜ。悪いがオレはお前を殺すことに全力を尽くす。実験台でもあるんだ、さっさと死ぬなよ?」
手を翳す朱道。それはまるで何かを召喚するかのように。
――だが、それは本当に召喚であり、朱雀として目覚めたのだから象徴となる武器を呼ぶということ。そうして頭に過る名前を朱道は叫ぶ。
「オレの血よ、あいつの血を貪るために生まれ堕ちろ! 虚朱鳥フェニックス!」
流した血が朱道の腕に集中する。そして生みだされた赤き槍は確かに朱雀の象徴だろう。
だが、その槍は赤という単色ではなく、いくつもの血が混ざったような色である。言うならば赤の虹色という所だろうか。
背丈よりも長い槍は、真っ直ぐではなく捻ったかのような渦を描いている。
これは今までの朱雀が持っていた朱雀槍アルテミスとは全くの異質であり、朱雀としての象徴は色くらい。
この虚朱鳥フェニックスは朱雀ではなく、複数の力が合わさって生まれた朱道を象徴とする武器だろう。
「さて、行くぜ。全体、360度目を放すなよ? この空間、血塗られた空間(ブラッティフィールド)にいる限り、安全な場所など存在しないからな」
「忠告は受け取っておく。でも心配されなくても私の能力は発動されてる」
椿の能力。
それは視線を全体へと見渡し死角をなくす能力。
そうでなくてはこの戦いは一瞬で終わっていただろう。椿はこの能力があり、そして今、発動をしているから背後より伸びた赤い槍を避けることが出来た。
赤い槍は赤い線の一部であり、血で生成された朱道の武器。だが虚朱鳥フェニックスとはまた別物の形をしている。
この空間にいる限り、どの方向から飛んでくるか分からない無限の赤い槍。それが全て必殺となって襲ってくる。
防戦の態勢など取ればそれで終わり。
だから椿は一撃を避けると同時に朱道を襲う。それしか手段がないから。
その両手は目に見えるほど神素が形となり、短剣くらいの刃を持っている。ここぞとばかりに隠していた椿の切り札がこれだろう。