鳥籠の底は朱い道
生きることは人として当り前のことだが、こうまでして生きるには何らかの動機がある。だが朱道本人には全くない。
あるのは朱道ではなく黒馬。そう、全てを黒馬が決めていたから朱道はそんな当たり前のことを考えなかった。
人だからこそ生きたい。
生きるためには殺す。
殺すためには強くなる。
強くなってそして……どうする?
このままだと永遠に親父に従うことになる。それを嫌だとは思ったことはないのだが、自分の意思として生きる理由が欲しかった。
だからころ今、目の前にいる自分に聞きたかった。
「お前はなんで生きたい」
呟く疑問に対し返答はなかった。
それはすでに黒猫を赤い槍が突き抜け死を与えてしまっているから。
「……………あ、くそ」
防衛本能により無意識に排除してしまった命。自分の死の姿を初めて見た。
――朱道は後悔している。この黒猫の命を奪ってしまったことを。何も答えを聞いていないから。
だからどうしても知りたかった。オレという単語を自分以外に使える黒猫に対してどうしても“生きて”ほしかった。
自分よりも先が見える自分の影を消したくはない。だからこそ朱道は願いを現実に変える。
――そう永遠に使われることのない、朱道の四つ目の能力。
黒猫の死を善という優しさで後悔する訳ではないのだが、それに匹敵する生きて欲しいという願望によりカバーされた。
死という霊素と生という神素が融合する一種の神業。
朱道は未だに黒猫を貫く虚朱槍フェニックスに更なる霊素を込め、そして同時に神素を込める。
そして四つ目の力を呼び起こす……。
あるのは朱道ではなく黒馬。そう、全てを黒馬が決めていたから朱道はそんな当たり前のことを考えなかった。
人だからこそ生きたい。
生きるためには殺す。
殺すためには強くなる。
強くなってそして……どうする?
このままだと永遠に親父に従うことになる。それを嫌だとは思ったことはないのだが、自分の意思として生きる理由が欲しかった。
だからころ今、目の前にいる自分に聞きたかった。
「お前はなんで生きたい」
呟く疑問に対し返答はなかった。
それはすでに黒猫を赤い槍が突き抜け死を与えてしまっているから。
「……………あ、くそ」
防衛本能により無意識に排除してしまった命。自分の死の姿を初めて見た。
――朱道は後悔している。この黒猫の命を奪ってしまったことを。何も答えを聞いていないから。
だからどうしても知りたかった。オレという単語を自分以外に使える黒猫に対してどうしても“生きて”ほしかった。
自分よりも先が見える自分の影を消したくはない。だからこそ朱道は願いを現実に変える。
――そう永遠に使われることのない、朱道の四つ目の能力。
黒猫の死を善という優しさで後悔する訳ではないのだが、それに匹敵する生きて欲しいという願望によりカバーされた。
死という霊素と生という神素が融合する一種の神業。
朱道は未だに黒猫を貫く虚朱槍フェニックスに更なる霊素を込め、そして同時に神素を込める。
そして四つ目の力を呼び起こす……。