鳥籠の底は朱い道
――朱雀としての力。

それはエデンに生まれし者のみが持つ、神の力の分け前。
それは通常では“神素”と呼ばれ、守護四神は時に豊富な神素を兼ねそろえている。それに特有の神素能力も持っている。
通常では生きる力とされていて、微量ながらも生きる普通の人々にも神素があると言われている。
ちなみに死神の場合、神素ではなく“霊素”と呼ばれ、もちろん守護四霊も霊素を兼ねそろえている。
霊素は人間なら誰でも持っている死の原型。そう、天に向かう魂のことを言う。
朱道は朱雀の称号を得ているから、朱雀としての神素とその能力を持っているはず。だけど今日に至ってもその能力が開花されることはない。
理由は分からない。
ただ一つ言えることは、朱道は朱雀の力がなくても“負け”を知ることなく勝ち続けてきた。だから、朱雀の力を頼っていないのが原因の一つかもしれない。
――本来なら、朱雀の能力はきちんとした形で伝承され、その使い方も教えられるはずだが朱道の朱雀は異端故に未知。
しかも前朱雀の神素能力解放条件を黒馬は知らなく、どんなものだったかすら教えることが出来ない。
だから朱道は自力で神素能力に目覚め、そして本当に誰にも負けない力を手に入れないといけない。
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