僕等の恋



七年の付き合いってのは、本気で尊敬するけど。



今まで何人かと付き合ってはきたけど、何年も付き合えるような、そんな出会いはなかった。


きっとこれからも…
期待なんてしてない。




―――…
―…





「湊〜」


来た…、と
ギクリとさえしてしまうようになったのは、いつ頃からだろうか。


そんな俺を見た慶士は苦笑い。



「一緒に帰ろっ、湊、三限で終わりでしょ?」


『あ‥っと、用事がありま―…』

「ねぇ、あたし湊のバイク乗りたい」



無視ですか…

いつの間にか呼び捨てになっていることは、今更どうでもいいけど。


『今日は歩いて来てんだよ』


「いいじゃん、慶士くんも彼女んちでしょ?」

不意に話を自分にふられた慶士は、若干驚きながら


「…まぁ」

と無愛想に答えた。
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