僕等の恋
はいぃー?
一体どんな心配してんだよ。
『何もしねっつの』
その時、背後に足音を聞いた。
振り向くと小走りで寄ってくる女に、目を細めた。
『……』
次第にハッキリする顔に『あ‥』と声を漏らせば、そんな俺を雪乃は不思議そうに見上げた。
「やーっぱり!湊ーっ」
『あ、葵?』
「あのバイク見覚えあるなーって見てたらビンゴ!」
そのまま勢いよく俺の背中を叩いたのは、中学からの仲である葵。
葵は地元の大学に通っているため、俺達が帰った時には必ず皆で集まった。
『お前、泥棒かストーカーかと思ったわ』
「あはは、確かに」
気楽に付き合える女友達の一人。