モザイク
「え?これに乗るの?」

「え?歩いて登るつもりだった?」


「え、うんそのつもりだった。」


「今から歩いて登ったら、帰るまでに真っ暗だけど?」


「わ、わかった。がんばる」

「ン、じゃ行くぞ」


時宗はあたしの手をぐいぐい引っ張って乗り場に連れて行った。


カコーーーン


カコーーーン


一定のリズムを刻みながら、

ロープウェイが目の前を通り過ぎていく。


「うううっ」


「大丈夫だからほらっ、がんばるんだろ?」


「え?」


時宗はひょいとあたしを抱きあげ車内に乗り込んだ。


ガシャン係り員の人が迷惑そうに私たちを一瞥して、

ドアを閉めた。

「わああっちょっとなにすんのよっ」



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