モザイク
「大丈夫か?

 顔色悪いし震えてる。」


「私狭いところ苦手なの知ってるくせに」


「克服しようぜ一緒にさ。

 手握ってやるから。

 これからずっと一緒にいるから。

 直してやるよ俺が。」


「時宗?」


「一応プロポーズなんだけど?」


「え?」


「待たせちゃってごめん。

 いや、

 10年も待っててくれるなんて思わなかった。

 マジ、待っててくれてありがとう。」


「時宗っ

 あのさっ」


「おっ!見て見ろよ」


気がつくとさっき麓で見たより鮮明な赤と黄色。


「きれい」

小さなゴンドラの中で、

私たちは紅葉に包まれていた。






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